ミュラー(muller)の動き バイエルンミュンヘンの攻撃パターン

どうも皆さんこんにちは。footballpossessです。

今回はミュラーの動きやっていきたいなと思います。

2019−20シーズンのバイエルンは圧倒的な攻撃力を持っています。

リーグ戦では34試合で100得点を叩き出しました。

特にレバンドフスキは31試合34得点と凄まじい数字を残してました。

攻撃力は申し分ありません。

しかし、バイエルンの得点力は一見レバンドフスキの得点能力に目を奪われてしまいますが、得点に関して必ず起点となっている選手がいます。

それが、ミュラーです。

ミュラーと言えば、何年も前から不思議な選手だなあと言う印象がありました。

メッシの様な特別なドリブルを持っている訳では無く、クリスティアーノ・ロナウドのような圧倒的な高さがある訳では無く、ムバッペの様な爆発的なスピードを見せる訳ではないのに、ミュラーがゴール前でボールに関わると必ずと言って良いほどゴールやゴールを脅かす様なシーンに繋がります。

勿論、ミュラー自身の得点能力や技術が高いのは言うまでもありませんが、個人の打開ではなく、動きによるチャンスメイクがこれほど上手な選手は珍しいなと思います。

ミュラーについて詳しく見てみると、ゴール前である特徴的な動きがありました。

これはロッベン、リベリーがいた時のバイエルンから続いていた、十八番の攻撃方法です。まさにドイツ式と言った、お手本の様な攻撃の、起点となっていたのがミュラーの動きでした。

一体どの様な動きをしているでしょうか。それでは見ていきましょう。

今期の2019−20シーズンの基本フォーメーションです。4−2−3−1ですね。注目のミュラーはトップ下あるいは、セカンドトップの位置でプレーします。

相手は4バックでの対応が多いので4−4−2で設定しました。

白丸で囲っているのがミュラーです。ミュラーが狙っているのは5レーンで表すとハーフスペースの裏のスペースです。このスペースを突くにもタイミングがありますので、順番に見ていきましょう。

まず、バイエルンはサイドハーフあるいはウィングの選手までパスを回します。この状況まで持って行くのはさほど難しくはありませんので割愛します。

今回は右サイドで説明しますので、ボールホルダーはニャブリになります。ニャブリが敵陣のサイドでボールを受けたらミュラーはハーフスペースの裏に走り出します。

そうすると、相手センターバックの1人が対応するために付いていきます。ハーフスペースというのがミソで余りにも大外だと、相手のサイドバックに対応されてしまいますし、中すぎるとレバンドフスキの仕事場を邪魔してしまいます。

ミュラーがハーフスペースで受けたらクロスを受けるためにセンターフォワードのレバンドフスキはニアに、逆サイドのサイドハーフあるいはウイングのペリシッチがファーに走って得点をします。

実は、バイエルンはこのクロスだけで得点している場面は多いのです。ここでレバンドフスキの得点能力が発揮されています。単純なクロスですが、カバーのいない守備陣形ですと点が取れてしまうのです。正直この場面だけですと、個人の能力の高さが伺えます。しかし、守備が整った強豪のチームだと対応されてしまい、得点が奪えない場合もあります。

そこでもうひと工夫が必要になるのです。

レバンドフスキとペリシッチがクロスを受けるために中に入ると、ディフェンスは間違いなく付いていきます。そうなるとバイタルエリアに広大なスペースが出来るので、ミュラーにパスを出した右サイドハーフのニャブリとボランチのゴレツカはそのスペースに走り出します。

この動きに相手ディフェンスが付いていけないとフリーでシュートを撃たれてしまう結果になりますが、ニャブリもゴレツカもスピードに乗って走って来るので中々ついて行くのが難しいのです。

この様に見ると単純なデザインされた攻撃ではありますが、この攻撃を止められたチームは今期は見当たりませんでした。

特にニャブリはドリブルも持ち味の選手ですから、最初にミュラーに出す段階では、相手ディフェンスはドリブルも警戒しなければいけません。ロッベンとリベリーがいた頃からこの伝家の宝刀の攻撃はやっていましたが、見事ニャブリとペリシッチが再現してくれています。

ミュラーのハーフスペースへの裏抜けから始まった攻撃です。実にお見事な戦術ですね。

最後にミュラーの動画を見て見ましょう。

引用:[https://www.youtube.com/watch?v=qyvpI-QTp44&t=56s]

動画の45秒〜のシーンをご覧ください。

今回はボールホルダーがラームからですが、形は同じです。

ラームがウイングの位置でボールを持ち、ミュラーがハーフスペースに走り出します。ラームはパスを出した後、ミュラーが元々いた位置に走りこみ、パスを受けゴールを決めました。

お手本の様な形ですね。ドイツ式の得点のパターンでした。

今回はこの辺りにさせて頂きます。失礼致します。

シャビ(xavi)ボールを受ける技術

どうも皆さんこんにちは。footballpossessです。

今回はシャビのボールを受ける技術をやっていきたいなと思います。

突然ですが、シャビってボールを受けるのが上手だなと思いませんか?

小柄な体格ですが、相手に触れさせる事なく、味方にパスを出し続け、試合をコントロールしています。ポジショニングの取り方や配給の方法は

ギャップ2 三角形の外心で受けるギャップ3 等間隔で距離を取った位置ギャップ4 ディフェンスのライン上で受ける角度5 斜めで受けて三角形を作ろう、他も使っていますので、ホーム画面から見ておいて下さい。

を使っており、ゲームの組み立てを行っております。

私が見る限り、少なくともここ10年で最もボールを受ける技術が高い選手だと思います。

もしかしたら、史上最高に上手かもしれませんね笑。

しかし、シャビについて細部まで分析していると、ボールを受ける瞬間の動き方も注目すべきポイントだなと思いました。

シャビはボールを受ける瞬間に一定のルールを持って受ける様にしている様に見えます。

それはどんな方法でしょうか。

ボールを受けるに当たって色々な受け方があると思いますが大きく分けたら3つに分かれております。

  • 走ってボールを受ける
  • ステップ系の方法でボールを受ける
  • 歩く、または止まってボールを受ける

それぞれをどの様な時に使っているのでしょうか?

まずは下記の動画をご覧下さい。

引用:[https://www.youtube.com/watch?v=kwyTrrfq4gA]

走ってボールを受ける

シャビが走ってボールを受ける頻度は少ないです。どんな時に走っているかというと、ベストポジションに着くために間に合わないと感じた時くらいでしょう。

動画では2分48秒〜のシーンが印象的です。

相手中盤を崩すためにイニエスタに出した後に急いで縦に走っていきベストポジションに着きました。そこから再度イニエスタへボールを返し、ボールを繋いぎ、バイタルエリアへの進入に成功しています。

次に5分25秒〜の場面も印象的です。

ダニエウ・アウベスへパスを出し、走って前へ出て行ってパスを貰います。動画内ではミスになりましたが、恐らくダニエウ・アウベスに戻して崩して行こうと考えたのでしょう。

2つの場面で共通して言えることは、崩すためにスピードの変化を付けようとしている様に思えます。淡々とボールを回しているスピードから、縦へ走ることでのスピードの変化は、相手は対応が難しくなり、崩すための足掛かりとなるでしょう。

ステップ系の方法で受ける

シャビが一番よく取り入れるボールの受け方です。

今回焦点に当てるステップはサイドステップ、バックステップ、後ろ走りとしますが、ステップ系の受け方はメリットがとても大きいです。

パスを繋ぐという作業下ではほとんどこの方法で良いのではないのでしょうか。

ステップ系の動きはスピードのコントロールがしやすい上、パスがズレたとしても咄嗟の対応が可能だという事です

更に通常、動きというのは前へ向かって動くものです。それが横や後ろに動くとなるとより周りを見ないと人にぶつかってしまう危険性があります。

何が言いたいのかというと、サイドステップ、バックステップ、後ろ走りをしている際は、本人にも自覚はないくらい必然的に周りを見ているという事です。

周りを見るということはプレーに置き換えると前を向きやすい状況を作りやすいという事に繋がります。

スピードに乗って走ってボールを受けると、どうしても周りを見づらい状況になりがちです。走る事に意識が集中してしまいますからね。

ですがステップ系の動作は体の向きを調整できますので、自分に必要な視野と情報をインプットする事ができるのです。

ステップ系にはもう一つ大きなメリットがあります。

それは、相手から距離を取り、ボールの受け場所を変える事ができるのです。

例えば上の図の様に受け手がディフェンスまでの距離が1mだとします。ディフェンスの距離間の認識も1mになるので、この距離間であれば取れるという様な想定をします。

そこでサイドステップを用い、ディフェンスから距離を取ると、ディフェンスは想定していた距離間とのズレが起き、ボールを取りに行っても取れなかったなんて事がよくあります。

なぜこんな事が起きるかというと、ディフェンス側の視点から見ると、ステップ系の動きは大きな動作ではないため、自分が想定しているよりも距離を取られていた事に気が付きづらいのです。所謂認識に錯覚を与えやすいのがステップ系の動きの特徴です。

サッカーでは数センチ単位のズレでもプレーに変化をもたらしますので、この認識のズレは攻撃側にとって大きなアドバンテージと言えるでしょう。

歩く、または止まってボールを受ける

止まってボールを受ける理由は単純です。

最初からベストポジションにいるからです

動画では1分15秒〜からの場面を見て下さい。

シャビはイニエスタから斜めの外心で受けています。恐らくこの場面では最善のポジショニングだと言えるでしょう。最善のポジショニングからわざわざ、動き直す必要はありません。止まって受ける選択をしました。

止まって受けるにあたり、一つ注意するポイントがあります。止まって受けると相手ディフェンスはボールを奪う標的にされてしまいます。周りを十分に確認し、ダイレクトでのプレーを選択する様な工夫が必要になります。

裏を返せば、わざとディフェンスを引き付けるには最適とも言えます。

ギャップ2 三角形の外心で受ける方法では効果的だとも言えるでしょう。

まとめ

これまでシャビのボールを受ける瞬間の動きを見てきましたが、シャビは特にスピードのコントロールが上手に思えます。シャビはボールを多く受けてゲームをコントロールする選手ですから、自身のスピードの変化は、試合全体のスピードの変化に直結します。

試合状況を見て、自信が速く動くべきか、ゆっくり動くべきかを見極める事でゲームコントロールが可能になるわけです。

これは中盤の選手に限らずの事なので、是非意識して取り組んで見て下さい。

今回はこの辺りにさせて頂きます、失礼致します。