強いチームとゲームメイク

どうも皆さんこんにちは。fottballpossessです。

今回はゲームメイクについてやっていきたいなと思います。

皆さんはゲームメイクについてどの様なお考えがありますでしょうか?

ゲームメイク1つとっても様々な方法があると思います。

1人のゲイムメイカーがボールに多く触り、状況に応じて試合を組み立てていく事を思い浮かべる人もいらっしゃるかと思います。もちもんそれもゲームメイクの一つではありますがそれができるのはよっぽどそのゲームメイカーが優秀でなければ出来ないでしょうし、そのゲームメイカーがマンマークに着かれ、ボールに触れない状況であったならば、ゲームメイクは出来なくなってしまいます。

私の考えでは、ゲームメイクは11人全員で行うのが強いチームの試合の運び方だと思います。11人全員がチームの方針に乗っ取って行動する事で、1人の突出した選手に頼る事なく試合を進める事が出来るでしょう。その方針を伝えるのが監督の役目です。監督が11人の選手がどの様に行動し、試合を進めるのかを明確に伝えなければならないのです。

そのため、監督には論理的に選手に役割を伝える能力が必要です。将棋で例えるならば、駒の動かし方を選手に伝えるのです。選手の能力が金、銀、飛車、角などの大駒くらいあったとしても、駒の動かし方が下手ならば、十分に機能することはないでしょう。名人の打つ将棋は素人を相手にすると歩と王将だけでも勝ってしまいます。駒の強さだけでは将棋は勝てないと言うことを改めて教えてくれています。

サッカーと将棋は似通った部分がたくさんあります。将棋の例の様にチームの方針、従ってゲームメイクと言うのは選手の能力以上に大事なものです。逆に選手はいくら能力が高くても、監督やチームの方針通りに動く事が出来なければ、足手まといと言う事になるでしょう。

最も良いのが才能ある選手達がチームのために動く。チームの戦術を達成するために1人の選手が責任感を持って働く。これが最も強いチームの定義だと思います。そのために監督は具体的な方針を選手に落とし込まなければなりません。

では具体的な方針を選手達にどの様に伝えれば良いのでしょうか。一つでも例があれば分かりやすいと思いますので、今回は私が一つ例をご紹介させて頂ければと思います。

サッカーはステップ事にすべき行動が変わる

まずゲームメイクを行うにテーマと構成を考えなくてはなりません。テーマにつきましてはチームとしてどの様なサッカーをするのかです。ボールを保持するのか、しないのか、蹴るサッカーなのか、などの大まかな方向性です。そして、構成についてはステップ1〜nまでとし、各ステップ事にチーム内でどの様に行動するのかやるべき事を細分化しましょう。

まず私のゲームメイクのやり方として、ボールを保持し、相手をコントロールする事です。これがテーマに当たります。このテーマに基づいてどの様にゲームを組み立ていくかを考えなければなりません。

それをステップ事にご紹介致します。

ステップ1 リズム作り

まずステップ1ですがリズム作りです。

その方法は

  • ワンタッチツータッチの少ないタッチでパスを素早く回し続ける事
  • スペース、ギャップが生まれたら前を向く
  • 数的優位を作り続ける

これの繰り返しになります。

まず、少ないタッチでパスを回し続ける理由は、リズム作りです。リズムを作る事で、チームに攻撃の機会を多く与えるのが目的です。

また、相手のプレスの強度を下げることも同時に目的とします。ボールを受けて直ぐ次の選手にパスを出さないと、相手ディフェンスは次のパスコースを読みやすくなります。相手に考える暇を与えないくらいのテンポでパスを回すことで、プレッシャーをかけられる頻度を減らしましょう。そうなれば、自チームは余裕が生まれ、攻撃のクオリティをあげる事ができます。

もし相手ががむしゃらにプレッシャーを掛け続けたならば、ギャップや裏へのスペースが生まれます。前を向いたり、裏への飛び出しを意識しましょう。必ずチャンスになります。

パスを回すに当たっての注意点は引きつきてからのパスをあまりしない方が良いと言う事です。引き付けてからのパスは確かにパスの受け手がフリーでプレーできるメリットがありますが、同時にリターンパスが出来なくなってしまうデメリットがあります。リターンパスが出来ないと言うことは、ダイレクトプレーが減る且つ、パスコースを一つ失ってしまうと言うデメリットがあります。自分がフリーな時ほどワンタッチでプレーする事により、より流麗なパス回しをする事ができるのです。

少ないタッチでパスを回すに当たってポジショニングも意識しなければなりません。テンポ良くパスを回し続けるポジショニングのポイントは距離感と角度になります。

距離間で意識するのは、少ないタッチでパスを回しやすい距離間を維持する事です。距離間が遠すぎるとパスを受けた選手が孤立してしまいますので、注意が必要です。距離間に関しては

距離間1 距離間で試合を作ろう

距離間2 近距離で受ける 素早いリズムを作ろう

距離間3 中近距離で受ける 素早いゲームメイクと距離間を使い分けよう

距離間4 中遠距離で受ける ディフェンスの意識を自分から遠ざけよう

距離間5 遠距離で受ける 相手と距離を取ろう

をご参照下さい。

角度で意識するのは、相手の動きです。角度をつける事により、プレッシャーに行きづらくするのが目的です。人間は鋭角に走る際に必ず、ブレーキを掛けなければならないので、次のパスの受け手へのプレッシャーを遅らす事ができます。

また視野の確保もしやすくなるので、ボールロストのデメリットを減らす事ができます。角度につきましては

角度1 角度がもたらす意味

角度2 縦でボールを受ける

角度3 横でボールを受ける

角度4 バックパスでやり直そう

角度5 斜めで受けて三角形を作ろう

角度(段差)を付けた三角形を形成しパスを回す

をご参照下さい。

これらを用いて相手のプレッシャーを剥がし、リズムを作っていきます。

リズム作りでもう一つ重要なのが、多くの相手ディフェンスに影響を与える、即ちディフェンスを動かすと言う事です。そのためには前を向く、または複数のディフェンスを相手にすると言う事です。

そこで必要になるのが、ギャップで受ける作業です。

パスを素早く回す際に相手ディフェンスが過度にプレッシャーを掛け続けたならばギャップを生んでしまいます。その出来たギャップでパスをもらい前を向きましょう。

ギャップにつきましては

ギャップ1 ギャップで受ける理由

ギャップ2 三角形の外心で受ける

ギャップ3 等間隔で距離を取った位置

ギャップ4 ディフェンスのライン上で受ける

をご参照下さい。

そして数的優位を作り続けるですが、常に数的優位を数的優位を作る事で、パスコースを増やしていきます。パスコースが増える事によって相手ディフェンスは次のパスの行き先が絞りづらくなります。数的優位を作る事でプレスの強度を下げる事に繋がるでしょう。

ステップ1のリズム作りで大事なのはワンタッチツータッチの少ないタッチでパスを素早く回し続ける事。スペース、ギャップが生まれたら前を向くを続ける事で、相手にボールを奪えない状況を作り続ける事が重要になります。

ボールを奪えない状況が続けば相手はプレッシャーを止め、陣形を整え、引いたディフェンスに切り替えますので、ここまで出来たらステップ1は完了です。

また、ステップ1はビルドアップの部分になるので、ビルドアップにつきましては

ビルドアップ1 ボランチ(中盤)のスタート位置

ビルドアップ2 中盤が受けた後と前線の位置 ワントップ

ビルドアップ3 中盤と前線の動き 2トップ

をご参照下さい。

ステップ2 崩すための準備

続いてステップ2です。

ステップ1では数的優位を作り、パスを素早く回し、ギャップにて前を向く事により、リズムを生み出しました。その結果、相手ディフェンスのプレスを剥がす事に成功するでしょう。

ですが、相手ディフェンスが後方に引いて陣形を整える様にシフトチェンジするため、崩すための準備をしなければなりません。そこでステップ2です。

ステップ2では崩すための準備をしなければならないですが、目的は相手の中盤を引きずりだす事です。

相手のディフェンスは裏のスペースを最もケアするのでこの段階で裏にボールを蹴ってもゴールに直結する可能性は低いでしょう。

もし、相手のディフェンスが無防備であると感じたらスルーパスを狙うのが良いと思います。ルーパスに関しては

スルーパスのコツ 理解すれば難しくない!

をご覧ください。

では本題の「相手の中盤を引きずり出す」ですが、目的はバイタルエリアまたは中盤とディフェンスライン間への進入です。

バイタルエリアはゴールへ繋がる危険なエリアなので工夫をしなければ進入は難しいです。進入を試みるに当たりステップ2では次の様な事を意識します。

  • リズムの変化
  • 数的優位の確保

まず陣形を整えている相手を崩すのは至難の業です。何か工夫をしなければなりません。

ここで、1つ狙いどころになるのが、相手の中盤の選手を前へ引っ張り出す事です。前へ引っ張り出すに当たり、やるべきことはパス回しのリズムの変化です。

ステップ1では少ないタッチでのパス回しをし、相手のプレッシャーを受けない様な工夫をしましたが、ステップ2ではパス回しの速度を少し落とす場面を作ります。言い換えるとタッチ数を増やしながらパスを回していきます。

ベースとなるスピードはステップ1時のスピードで良いのだが、時々ドリブルを挟みながら、パスを回す事により、相手にボールを奪えるかもしれない場面を作ります。餌を撒く様な感覚ですね。その餌に相手が食い付くと数的優位を作っていますので速いパス回しでいなしバイタルエリアへの進入を図る事ができます。

また、ボールの受け方も工夫が必要になります。ステップ1では相手から離れる様なポジショニングを取り、パスをもらい、リズムを作っていきますが、ステップ2ではあえて狭いギャップに入りパスを受ける事で相手を食いつきやすくすることも推奨します。狭い空間は相手もボール奪取を狙いやすい場所になるので、中盤を引っ張り出すのに適しています。

相手を引っ張り出してバイタルエリアへの進入が可能になれば一気にスピードを上げましょう。

シュートに持っていくまで、もうあと一工夫です。

ステップ2で必要になる知識と技術として

グアルディオラのバルセロナのポゼッションサッカー 10-11

余裕を持ったドリブルの仕方

角度(段差)を付けた三角形を形成しパスを回す

があります。ご覧頂けたらより理解が深まると思います。

以上の様な方法で相手ディフェンスと中盤のライン間を攻略していきます。攻略ができたらステップ2は完了になります。

もし、中盤が攻略できない場合は、引っ張り出すディフェンスの対象を変更します。言い換えると攻略の場所を変えていきます。中央がダメならサイドを攻略していきましょう。ダーゲットにするのは相手のサイドバックです。サイドハーフ及びウイングの選手が中に絞ってボールを受けます。通常これらの選手をみるのは相手のサイドバックになりますので、ウイングが中に絞ればプレッシャーに行くのはサイドバックです。

サイドバックがウイングについて行けば、裏のスペースが発生しますので、そのスペースを攻撃の起点にしましょう。

もしついて来なければそのまま前を向けばいいだけの事です。

ステップ2の段階では攻略できそうな場所を見極めるのが最も重要な作業になるでしょう。

ステップ3 崩し

続いてはステップ3になります。

ここまで来たら残りは崩しのみになります。個人的にここがサッカーで一番楽しい部分になると思います。

シュートを打てるゴール前になるため相手ディフェンスがは最も警戒し守って来ます。つまり崩しを行いゴールを奪うには一工夫必要になるのです。その一工夫をファンタジスタと呼ばれる選手達がドリブルで仕掛けたりし打開する場面も多岐に見られます。

しかし、個人的にはパスワークで相手を崩していこうと考えます。(私がドリブルで抜くのがあまり得意ではないので笑)

ワンツー

崩しで一番有効的なパスワークはワンツーです。ワンツーはツーの部分でスペースにボールを送りディフェンスを置き去りにするのが一般的です。従ってスペースのないところでは難易度が格段に上がります。

しかし、狭いスペースこそワンツーを使うメリットがあるのです。それは

  • ゴール前において相手ディフェンスは陣形を整えているため、足を止めている(少なくとも全速力では走っていない)従って、ワンツーにて裏へ走り出している選手を捕まえるのは難しい
  • ディフェンスは密集しているのでマークの受け渡しが曖昧になり、ボールウォッチャーになりやすい(ワンツーのワンの部分に注目してしまう)
  • ツーで受けた選手はスピードに乗った状態でシュートを打て

と行った様なメリットがあります。

ゴール前のワンツーに関しては、寸分のズレが成功から遠ざけるため、その場のアイディアというよりも事前にどのワンツーを使用するのかを知っておいた方が良いです。

従って色々なパターンのワンツーを事前にインプットしこの場面ではどのワンツーを使おうかという様な状態で試合を行うのが望ましいです。もし、事前にあらゆるワンツーを把握しておけば、この場面ではワンツーは無理だと判断し別の選択をすることもできるのです。事前準備は非常に大事です。

ワンツーに関してはまた改めて記述しようと思いすが、

ペップ・グアルディオラの戦術 11-12

の最後の方にワンツーで崩している動画を載せております。是非参考にしてみてください。

3人目の飛び出し

ゴール前になると、相手ディフェンスはより注力して、ボールの動きを追っていきます。なぜならフリーでシュートを打たれるのを最も避けるため、ボールホルダーに対して一定の距離間を保とうとするからです。

従って、後ろや外から飛び出してくる3人目の動きに対しては視野の確保ができていないと対応するのは、ディフェンスにとっては非常に困難な状況になります。

言い換えるとゴールに直結しやすい状況というわけです。仮に3人目の飛び出しにディフェンスが対応しようならば、そのディフェンスが元々対応していた味方の選手がフリーになります。その選手にパスが通れば、シュートを打つことも可能になるかもしれません。

どちらにパスが通るにしろ、引いた相手に対しては3人目の飛び出しは、ゴール前での崩しのきっかけになるので、攻撃のバリュエーションの1つにしていきましょう。

この動きが得意な選手は、セスクやイニエスタといった選手達です。ゴール前の彼らの動きを見てみると良いでしょう。

3人目の動きではないですが、ミュラーの動きは崩しに関して大変参考になります。ミュラーにつきましては、以前記述致しましたので、下記にリンクを貼っておきます。

ミュラー(muller)の動き バイエルンミュンヘンの攻撃パターン

引用:[https://www.youtube.com/watch?v=M5OME12smIY]

崩しに関して動画を載せておきます。参考にして見て下さい。

まとめ

以上のことから、シュートまでの流れを一通りご説明させて頂きました。あくまで机上の空論にすぎませんが、チーム内でゴールまでの流れを共有する為にもこの様にステップ事に落とし込みをするのは非常に大事なことです。

連携のズレが少なくなったりするので、無駄なパスミスの減少にも繋がります。今回私が記述させて頂いたのは戦術の氷山の一角に過ぎません。ましてや攻撃しか記述をしておりません。

選手の特徴を中心に活かすのか、監督の方針を中心にチーム作りをするのかで大きく戦術も異なります。是非最善の方法を見つけて頂きたいと私は思います。

今回はこの辺りにさせて頂きます。失礼致します。