どうも皆さんこんにちは。footballpossessです。
今回はペップ・グアルディオラのポゼッションサッカーについてやっていこうと思います。
グアルディオラと言えばバルセロナのポゼッションスタイルで大成功したのはご存知ですよね。
ポゼッションと聞くとボールを保持し、攻撃の時間を増やすことでチャンスを増やしゴールに迫る。そして、相手にボールを持たさないことで、失点のリスクを減少させるのが目的のスタイルだというのは何となくわかると思います。
クライフの時代から言われている「7割のボール支配ができれば、80%の試合に勝つことができる」という言葉を受け継ぎ、システムを進化させたのがグアルディオラのサッカーでした。
グアルディオラのバルサは、圧倒的なクオリティで世界中に衝撃を与え、圧倒的な強さを見せつけていました。いわば、バルサ1強時代の到来です。グアルディオラのバルサ就任前はロナウジーニョ、カカ、クリスティアーノ・ロナウドの様な個の力が重要視されていた時代だったので、チームでゴールを奪うサッカーが強さを発揮した時に、衝撃を受けた方は少なくないかと思います。メッシ、イニエスタ、シャビ、ペドロ、ビジャの様な小柄な選手が活躍できることを証明した。瞬間でもありましたので、尚更インパクトは強かったと思います。
ではなぜペップのバルサはなぜこんなに衝撃を与えたのでしょうか。いくつかの理由があると思いますので順を追ってご説明致します。
ボール保持の復活
クライフの時代から提唱されていたボール保持ですが、ドリームチーム以降ボール保持に拘るチームは殆どありませんでした。ファンハール就任後シャビ、プジョルのようなカンテラの選手を起用しましたが、ポゼッションスタイルの確立まではしていませんでした。
ライカールト就任後もロナウジーニョ、エトーという選手が主力として活躍しましたが、ボール保持がメインではありません。前線の選手にいかにフリーでプレーをさせるかが重要視されていました。事実この当時はスペースが広大にありましたので、クラックが活躍できる条件が揃っていました。つまり、前線の選手の能力こそが、得点に結びつくという時代だったのです。
しかし、どんな優秀な選手も複数人で取り囲み、ドリブル、パスを封じられるとボールロストをする場面が多々見られるようになりました。1人の天才を止めるためにゾーンディフェンス、ゾーンプレスが強化されていきました。つまり、前線の選手が自由にプレー出来る時間とスペースがなくなってきたのです。
バルサも当時ロナウジーニョに依存しておりましたので、頭を悩ませていました。そこで就任したのがグアルディオラでした。彼が就任したのちのバルサはチームプレーを重視し、ポゼッションサッカーの復権に努めました。ご存知の通り。大成功を収めましたが、なぜ成功をおさめられたのでしょうか。
ゾーンディフェンスを崩壊させたギャップでの受け方
上記で述べたようにゾーンディフェンスが、強化されたことで、前線の選手に時間とスペースが与えられなくなり、チームプレーに乏しい選手は淘汰されています。
そもそもゾーンディフェンスとは何かというと、自分の担当エリアを振り分け、陣形をなるべく崩さないよう無駄な動きを減らし、ゴールを守ります。1人が抜かれても次、次と対応出来る部分が強みであります。
さらにサッキのゾーンプレスを組み入れることにより、ボールを中心としたプレスと陣形の整備を行うことで時間とスペースを奪っていくのがペップ就任時のディフェンスのトレンドでした。
しかし、ゾーンディフェンスの弱点を突き、完全に無効化したのがペップのポゼッションサッカーです。
ゾーンディフェンスの弱点とは何か、それはギャップです。
ギャップにつきましてはギャップ1 ギャップで受ける理由、ギャップ2 三角形の外心で受ける、ギャップ3 等間隔で距離を取った位置、ギャップ4 ディフェンスのライン上で受ける、をご覧下さい。
ゾーンディフェンスはマンマークとは違い最も近いディフェンダーがアタッカーに対してのアクションを行い、対応します。ですが最も近いディフェンダーを決定させられないギャップへの対応は決まり事がない限り、対応に遅れが出てしまします。
そこで、バルサの選手はギャップに陣取ることでディフェンスの役割を曖昧にさせました。誰がプレスに行くのか、誰がカバーに行くのかが曖昧になったのです。そんなチグハグなディフェンスだとバルサの選手はやりたい放題でした。特にシャビ、イニエスタ、メッシは狭いスペースでもプレーのできる選手なので、僅かな隙も見逃しませんでした。
チーム全員がギャップに陣取ることで常に誰かがフリーの状況を作りその選手にパスがわかることで、相手ディフェンスを後手に追い込むことに成功しました。
出典:http://footballtactics.net/appnew/
さらに、ペップ就任時の守備はFWがセンターバックにプレッシャーをかけるチームが多かったため、ディフェンスの間隔が間延びしているチームが多かったため、広いギャップが生まれやすかったのです。
出典:http://footballtactics.net/appnew/
バルサにとってギャップが広いのは追い風で、次次にギャップに入る事によって、パスコースを作り、ディフェンダーのプレッシャーをいなしておりました。パスを繋ぐのにストレスはなかったでしょう。もし、スペースが狭くなり複数人で奪いに来た場合はダイレクトやワンツーで角度を変え、逃げ場を作りながら新しい広大なスペースに展開する術をバルサの選手は持っていましたのでパス回しでのボールロストはほとんど見られませんでした。
2008−09シーズンのバルサがレアルを6−2で下した試合は特にこの様な場面が見られました。
このシーズンのバルサはボールポゼッションを意識しているというよりかは、相手のプレッシャーをパスでいなしていき、フリーなスペースでボールを受け相手ゴールに迫っていくというスタイルでした。ギャップで受け前を向く機会が多かったので、結果的にボールポゼッションが上がっていったのです。決してボールポゼッションがメインではないという事です。あくまでゴールを奪うための過程でしかなかったという事です。
長くなりそうなので、今回はこの辺りにさせて頂きます。それでは失礼致します。
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